小山内建設のZEH・BELSへの取り組み

地球環境にも人にもやさしい住まいを目指す

宗谷地方では稚内市に強風を利用した日本最大級のウインドファーム(風力発電所)や、東京ドーム3個分の敷地面積を持つメガソーラー(大規模太陽光発電所)があり、再生可能エネルギーによって地域内の電力需要を安定して確保する取り組みも行われています。そのような取り組みを戸建住宅レベルでも実現しようと、小山内建設ではZEHの普及を進めています。

小山内建設がZEHを推進するのは、環境問題やエネルギー問題だけを考えてのことではありません。ZEHを実現するために必要な住宅性能が、住まいの快適性や健康性も高めることにもなるからです。

また、地震や暴風雪などの自然災害で停電した時に、家の中で暖房や給湯の電源を太陽光発電等でまかなうことができれば、家族の命や健康を守ることにもつながります。できる限り少ないエネルギーで、住まう人にも環境にもやさしい住まいをつくる。それが小山内建設の目指す家づくりです。

稚内市内に東京ドーム3個分の敷地を有するメガソーラー発電所
宗谷丘陵に風力発電機が林立する宗谷岬ウインドファーム

ZEH導入に向けた小山内建設の取組

具体的な取り組みとして、2017年度にZEHビルダーの登録を行い、ZEHの普及目標を設定しています。検討に検討を重ね、2021年1月には初となるZEHを猿払村内に完成させることができました。2025年頃には受注する住宅の50%がZEHまたはNearly ZEHとなることを目標としています。

※ZEHとは…ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのこと。高断熱化と高効率設備機器によってエネルギー消費量を大幅に削減したうえで、必要なエネルギーは太陽光発電や太陽熱給湯などの再生可能エネルギーでまかなうという考えで、年間一次エネルギー消費量を正味(ネット)ゼロまたは概ねゼロにする住宅のことを指します。

小山内建設のZEH普及率目標
小山内建設のZEH実績報告
猿払村で2021年1月に竣工した初のZEH

小山内建設のZEH施工例

厳しい風雪や寒さにさらされ、太陽が出ている時間も少ない宗谷地域でZEHを建設するのは、かなり困難なチャレンジです。日本最北の村で省エネ基準の地域区分が最も寒いエリア(1地域)に位置する猿払村は、過去5年間の日照時間が平均1521時間/年と、道内有数の日照時間を誇る帯広や釧路、北見の4分の3程度であるため、太陽光発電を採用するには条件的に不利な面があります。しかしそんな条件下の中でもより優れた住まいを提供すべくZEH実現を信じ、挑戦することとなりました。

ZEH第1号の外観
ZEH第1号の内観

ZEHを実現するにあたっては、

①十分に一次エネルギー消費量を削減できるよう断熱性能を強化
②地域の経済循環を考慮して暖房・給湯熱源に灯油を採用
③太陽光パネルの屋根設置と外観デザインの両立
④太陽光発電などZEH関連設備にかかるコストの抑制

―上記をポイントに設計・施工を行っています。

①断熱仕様は、外壁断熱厚さ315㎜、屋根はグラスウールのブローイング300㎜に加えて発泡プラスチック系断熱材を110mm合わせて410mm、窓はすべてトリプルガラスサッシを採用するなど、小山内建設の標準仕様を大幅に超えた断熱性能としています。

ZEH第1号の断面図。外壁の断熱厚さは315mm

②暖房・給湯はできるだけ地域にお金が回るよう、地元業者から購入できる灯油熱源とし、排気の熱も活用する高効率ボイラーを採用しています。断熱・省エネ性能計算ソフトで試算した年間暖房灯油消費量試算は700L程度です。

③太陽光発電(PV)は外観の意匠性を考慮し、見栄えに影響が少ない屋根上設置で、5%こう配で屋根面と平行に容量9.5kW分のパネルを取り付けています。

太陽光発電は自家消費を優先して、シューズクローゼット内に設置した容量7kWhの蓄電池と連携しています。昼間に発電した電気は、自家消費して余った分を蓄電池に貯め、夜間に使用する電気は蓄電池から供給し、足りない分は商用電力を使うことになります。

シューズクローゼット内に設置された蓄電池

④太陽光発電・蓄電池関連設備の設置費用については、太陽光発電パネルの設置を自社施工とするなどして、従来の6割程度に抑えています。施工は太陽光発電関連を始めとするエコ設備機器・建材を供給している(株)PVソーラーハウス協会に加盟して研修を受け、太陽光発電とパワーコンディショナー、蓄電池も同協会から調達しています。このほか、国の補助事業である地域型住宅グリーン化事業(ゼロ・エネルギー住宅)の補助も受けることでコストを低減しています。

太陽光発電は自社施工とすることで設置コストを削減

BELSについて

小山内建設ではZEHを猿払村や稚内市などの宗谷エリアに広く周知・普及させるにあたって、2017年度から『BELS』(ベルス)と呼ばれる住宅省エネ性能表示に積極的に取組んでおり、2018年度以降は毎年表示率100%を達成しています。また、評価を行った住宅については施工事例のページで評価結果を公開しています。

ZEH第1号住宅のBELS評価書
小山内建設のBELS表示率

※BELSとは…BELS(ベルス)はBuilding-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)を略した言葉で、外皮性能と一次エネルギー消費量(家電等除く)の性能レベルを☆の数やグラフなどによって表示する制度のことです。